発達障害のあるお子さんは「療育」が受けられます。
「療育」と幼稚園などの幼児教育との違いは何か?についてまとめました。
発達障害の「療育」と幼児教育との違いは何か?
一般的に「療育」と呼ばれる発達障害者支援法の「発達支援」と、幼児教育とのいちばんの違いは、
法律で定められいる発達支援(療育)は福祉サービスの一つ
だということです。公費からの助成もあります。
「療育」では何をするの?
「療育」と呼ばれる「発達支援」の法律での定義は
心理機能の適正な発達を支援し、及び円滑な社会生活を促進するため行う個々の発達障害者の特性に対応した医療的、福祉的及び教育的援助
発達障害者支援法「第一章 総則 (定義)第二条4」より
とあり、幼児教育とは違い、教育だけでなく「医療」「福祉」の視点からも
- 日常生活のための基本的な生活習慣の習得のサポート。
- 集団生活・社会生活への適応力やコミュニケーション能力向上のサポート
- 障害や環境による暮らしにくさの軽減を図るためのサポート。
- 親・保護者へのアドバイスや心理的サポート。
などが、個々人の「支援利用計画」をもとに行われます。
パソコンやプログラミング、運動機能の発達に力を入れているなど、事業所によって独自色がある点は幼児教育と似ています。
「療育」にはどんな「先生」がいるの?
療育(発達支援) | 幼児教育 |
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児童指導員または指導員、保育士、児童発達支援管理責任者、嘱託医、機能訓練担当職員(機能訓練を行う場合)、栄養士(難聴児には言語聴覚士、重症心身障害児には看護師も) ※事業所によって配置を義務としない職種もあります。 | 幼稚園/幼稚園教諭 幼保連携型認定こども園/保育教諭 (どちらにも園医がいます) |
療育(発達支援)でお子さんと関わりが多いのは、保育士や児童指導員または指導員の先生です。
また「機能訓練担当職員」とは“理学療法士、作業療法士、言語聴覚士及び心理指導担当職員等”とされ、わが家で利用した児童発達支援では「臨床心理士」「言語指導」の先生がいました。(厚生労働省「障害児通所支援に係る報酬・基準について ≪論点等≫」より)
栄養士の先生は給食がある事業所に配置される場合があり、保護者向けに食事へのアドバイスをしてくれることもありました。
「療育」と幼児教育の「人数」の違い
療育(発達支援) | 幼児教育 |
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先生1人あたり児童5人まで | 幼稚園/1学級原則35人以下 (幼保連携型認定こども園も 満3歳以上のクラスは幼稚園と同じ) |
「療育」と幼児教育とでは「対象年齢」も違います
療育(発達支援) | 幼児教育(幼稚園) |
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18歳未満(必要なら20歳まで) 児童発達支援は未就学児 | 満3歳以上の未就学児 |
発達障害はできるだけ早期に発見・発達支援を行うことが発達障害者支援法に記されています。
また「放課後等デイサービス」という形で小学生以降も受けることができます。
「療育」はどこで受けられる?
療育(発達支援)は自治体で指定を受けた事業所で受けられます。(「通所支援」と言います)
未就学児/児童発達支援センター、児童発達支援事業所
(保育所等への「訪問支援」〈本人と保育所等職員への支援〉もあります)
就学児/放課後等デイサービス事業所
指定を受けず、独自の「療育」をおこなっている民間事業者もありますが、利用料の助成対象ではないので全額自己負担になります。
送迎の有無
「送迎」がある事業所もあります。
給食の有無
「給食」や「おやつ」がある場合もあります。
1週間の通所回数
1週間あたりの通所回数は、お子さんの発達障害の程度や事業所によります。
一部、土曜日・日曜日・祝日にも開所している事業所もあります。
「療育」の料金はいくらかかる?
療育(発達支援)の利用料には助成があり、世帯収入別に個人負担の最高月額が決まっています。
(例:収入が概ね890万円以下の市町民税課税世帯 4,600円 厚生労働省「障害者福祉:障害児の利用負担」より)
食費も自治体によっては減免があります。
「療育」の相談先は?
療育(発達支援)を指定事業者で受けるためには、市町村に「通所給付決定」の申請が必要です。
相談先 市区町村 児童福祉窓口
3歳児健診ですすめられ、約2年間・週5日通所。保護者登園が週1日程度。
送迎・給食・おやつあり/
定期的な医師の診察、心理・言語相談以外は保育園のような雰囲気。遠足など年中行事や保護者会あり。
発達支援センターのすすめで保育園に転園。不定期で臨床心理士の通所支援。
支援級のママの口コミで週2日利用。 送迎・おやつ〈実費150円/日〉 あり/
パソコンや生活自立、ソーシャルスキルトレーニング、図工などを教えてもらっています。
「療育」の現時点での感想
自分から発信できない子なので、少人数で手をかけてもらえることが療育の良い点です。
「成果」を期待しすぎると、がっかりしたりや子どもに無理を強いることになりかねませんが、
が大切だと思っています。