お子さんに発達障害があると「保険に入れないのでは…」と不安になるかもしれません。「発達障害があっても入れる保険や共済」をまとめました。
発達障害は保険会社に知らせる必要があるの?
発達障害は「保険会社に知らせる必要がある(告知義務がある)」障害です。
ただし発達障害があっても 「条件付き」で契約できたり、「発達障害に関する告知事項がない」保険もあるので、希望の商品があれば保険会社へのお問い合わせをおすすめします。
発達障害があっても入れる生命保険にはどんなものがあるの?
発達障害があっても入れる生命保険には
- 発達障害など障害がある方のための保険
- 引受基準緩和型保険(限定告知型保険)
- 無選択型保険
があります。「保険料が割高」だったり「保障が限定」されているぶん、加入しやすい保険です 。
発達障害など障害がある方のための保険とは
「発達障害など障害がある方のための保険」とは、たとえば
- ぜんちのあんしん保険
- 生活サポート総合補償制度
があります。
どちらも病気やケガだけでなく、虐待や消費者被害などに対して「人権」を守るための弁護士費用等の補償もセットに。お子さんでも入れます。
ぜんちのあんしん保険とは
満5歳~満74歳(毎年更新・継続84歳まで) | |
保険料:月1,300円~3,700円(初回のみ+4,500円。年払い割引あり) | |
死亡保障あり (重度障害はケガのみ) | 入院保障あり |
その他:手術・ケガ通院・権利擁護費用・個人賠償責任(示談交渉つき) |
※※死亡・入院・手術の補償がケガのみの「こども傷害保険」(満5歳~満18歳)あり。
ぜんちのあんしん保険とは、ぜんち共済株式会社による知的障害・発達障害などのある方を対象とした「少額短期保険」。
※「少額短期保険」は、一般社団法人日本少額短期保険協会 (http://www.shougakutanki.jp/)に説明があります。
当事者だけでなく「家族・親族も入れる」のが特長です。
ぜんちのあんしん保険の注意点
ぜんちのあんしん保険の注意点は、
- 発達障害など特定疾病での死亡・入院は責任開始日から30日間保険金が支払われません。
- 1年間に支払われる保険金額にも上限があります。
- 地震などの天災は保険金が支払われない場合があります。
- 仕事での損害賠償は対象外。
などです。
生活サポート総合補償制度とは
0歳~(毎年更新・中途加入でも契約は年度末まで) | |
保険料:年19,500円~25,200円(会費含む) | |
死亡補償あり (病気は葬祭費用、後遺障害はケガのみ) | 入院補償あり |
その他:ケガ手術・ケガ通院・弁護士費用等補償・個人賠償責任・職業従事中事故対応費用補償 |
※※くわしい条件はJICでご確認ください。
生活サポート総合補償制度とは、株式会社ジェイアイシー(JIC)による 知的障害・自閉症のある方が対象の 「普通傷害保険」です。
一般社団法人 全国知的障害児者生活サポート協会の会員になって利用。会費は掛金に含まれています。
- 傷害保険でも「病気」への入院補償
- 就労移行・就労継続支援も含む「仕事中の他人への被害」への補償
- 地震・噴火・津波でのケガへの補償
もあるのが特長です。
生活サポート総合補償制度の注意点
生活サポート総合補償制度の注意点は、
- 発達障害では「自閉症」に限定。
- 病気による入院給付金は「付添介護」「差額ベッド代」「諸費用」の3つの項目に分かれ、それぞれ適用条件あり。
などです。
発達障害の告知不要 引受基準緩和型保険とは
死亡保険あり | 医療保険あり |
引受基準緩和型保険とは、持病があっても入りやすいように加入条件をゆるやかにした保険です。「限定告知型保険」とも呼ばれ、
告知項目が3~5項程度に限定
※公益財団法人生命保険文化センター「医療保障に関するQ&A」( https://www.jili.or.jp/knows_learns/q_a/medical_security/medical_security_q15.html )より
されています。
たいてい発達障害の有無は告知項目にありませんが、「成人」を対象にした商品が多いようです。
発達障害がある子向けの引受基準緩和型保険はないの?
発達障害があるお子さん向けの引受基準緩和型保険はないのか、というと「共済(共済保険)」にあります。
共済は、出資金をあずけて「組合員」になる必要がありますが、
- 掛金が安い
- 決算で剰余金が出た年は「割戻金」が戻ってくる
という利点もあります。(保険にも「配当」や「保険料」が戻ってくる商品はあります)
共済の引受基準緩和型保険には、
などがあります。
発達障害の告知不要 無選択型保険とは
死亡保険あり | 医療保険あり |
無選択型保険とは「告知や医師の診査が不要」な保険。発達障害の告知もいりませんが、契約者(被保険者)の年齢が満40歳以上など、中高年が主な対象者のようです。
発達障害があっても入れる傷害保険とは
傷害保険とは、事故による「ケガ」での入院や通院、万が一の場合に備える保険です。
告知事項には、「被保険者の職業・職務」「他の傷害保険契約等の情報」があります。
一般社団法人日本損害保険協会「損害保険Q&A 問76 傷害保険における告知事項や通知事項は、どのようなものがありますか。」(https://soudanguide.sonpo.or.jp/body/q076.html)より
通知事項には、「被保険者の職業・職務の変更」があります。
病気によるものは保障されませんが「健康状態への告知がない」ので、発達障害があっても入りやすくなっています。
参考 日本損害保険協会「会員会社一覧」(https://www.sonpo.or.jp/member/link/member.html)
発達障害診断後「先進医療特約」の追加を希望したところ、発達障害による特約の保障を3年間制限する条件つきで契約ができました。